SPIDER-MAN 3★★★☆☆ Spider-Man 3 (2007)

レイトショー1200円で見ました。あいにく横なぶりの雨でしたが、職場近くのシネコンでしたんで駆け込んでチケットをゲッツ。崩れた天気の影響でしょうか、ガラガラの場内はそれでも一応指定席です。つうわけで連れのオッサンと二人おとなしくシートに座ってたんですね。ポツリポツリと客も入っては来ますが、依然キャパの2割も埋まってない感じです。そしたらですね、一組のカップルが入ってくるじゃないですか。まあカップル、憎いですけどべつにそれ自体はどうでもいいわけです。
ところがですわ。こいつらときたらドンドンドンドンこっちに近づいてくるじゃないですか。え?え?と思ってたらですよ、こんなガラガラの劇場内で俺の隣りに座りやがんの。隣りだよ? 一つ空席挿んで隣りじゃなく真隣り。このカップルがキチガイなのか劇場の券売係がキチガイなのかわからんのですが、多分両方でしょう。ええ即移動しましたとも。人間界の常識が通用しそうな相手とは思えなかったので怖かったんです。おかげでベストポジションを確保出来ましたよ。しかしこの客足の少なさにもかかわらず頑に指定席という頭の悪さで、このシネコンは要注意リストに仲間入りですわ。109シネマズMM横浜。

1200円で良かった。そう思うことってありますよね。スパイダーマンは「2」でやめておけばよかったなあ、って今だから言えるんだけど。映画「スパイダーマン3」は、派手なCGアクションの合間に登場人物たちが、言っただの言わないだのお前が悪いだのいや俺は悪くないだのでもよく考えたら俺も悪かったかもなあなどと一喜一憂しつつ喧嘩したり仲直りしたりするだけの、本当にただそれだけの作品だった。
かといってメッセージとかテーマのようなものが無いわけではない。リベラル・ラッシュの風潮を体現するがごとく、「自分ヤなことされたからって仕返ししちゃダメよ!」とか「人気者だからってあんまり調子に乗り過ぎたらバチ当たるよ!」など、基本スパイダーマンとは何の関係も無い道徳の時間が二時間とちょっと。オマケに「身障者なんて生かしとくより殺したほうが本人も幸せなんだよ」などという凶悪な隠れメッセージまで。最後のは俺の妄想か、それともハリーを殺す確かな理由でもあったのか、いまだにわからない。ええと、この映画「スパイダーマン」だったよな確か。

だいたいですね、ハリーの執事みたいな爺さん。「ぼっちゃん、私全部見てたね。お父上自分で死んだあるよ確か」って、それ最初に言えよ! お前が黙ってるから凄いケンカになって、ハリー顔ヤケドしちゃったじゃん。こっそりケンカ覗いてたのか? イヤな執事だなあ。それにピーター・パーカーもですね、親友にあんな重傷負わせといて、久しぶりに顔見せたと思ったらいきなり「助っ人頼むわ」は無いんじゃないですか。もう少し良心の呵責とか自責の念とか、せめてまず一言「すいませんでした」くらい言おうぜ道徳の時間なら。あとMJが高い所で危険な目に遭うのはさすがにあきました。もういいよ。
明らかに後付けで邪魔なヴェノムをはじめ、スーパーヒーローより強い突然凶暴紳士の一般人ハリー(ニュー・ゴブリン)にしろ、実は祖父殺害の真犯人サンドマンしかも本当は良い人など、後出しジャンケン的無理矢理感はそうとうのものだ。今思い出したが復活後のハリー最初の攻撃は、ピーター・パーカーの彼女MJを脅して別れさすという泣けるほどセコい作戦だった。確かにダメージは大きいらしく、その後の展開を現実に置き換えると「嫉妬→逆上→傷害事件」となってますますスケールの小ささを実感せずにはいられない。なんてことだ。

とは言っても細かいことを気にしなければ、アトラクション・ムービーとしての「スパイダーマン3」は存分に楽しめる一級品と言って差し支えないと思う。ギャグも効いてるしアクション満載でとりあえず退屈はさせない。でもやっぱり、「スパイダーマンでなくてもなんでもいい」道徳劇を見せられた後味は、とにかくあんまりスッキリしないものなのだ。とくに前の2本がスパイダーマンの実存にかなり肉薄してみせた秀作だっただけに、今回は結構キツい。もう続編は作らなくて良いのではないか。作ったら行くけど。
- 2007/05/12(土) 00:47:46|
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